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 歯周病(歯そう膿漏)とは簡単に言うと、口中の雑菌が出す酸性の毒素により歯の根を支えている顎の骨が溶かされてしまう病気のことです。この病気の怖い ところは、気が付かないうちに徐々に進行し、しかも一本だけとは限らないことでしょう。虫歯のような顕著な痛みもなく進行していくことが多く、みがき残し ているところはすべて侵されてしまう可能性があります。

カゼをひいたりして体調を崩したときや、残業が続きストレスがたまっているときなどは、いっきに歯茎にハレと痛みがくることがあります。お心当たりのある 方もおいでではないでしょうか? また、お酒を飲んだ日の晩など「今日は面倒くさいから歯ブラシしないで寝ちゃえ!」なんていう方はいらっしゃいません か? 「一日ぐらい磨かなくてもいいや」などと思ってしまいがちですが、その一日でお口の中の雑菌はものすごく繁殖するのです。歯ブラシは毎日すべきもの なのです。

 歯そう膿漏の予防には、先ずプラークコントロール(歯ブラシをかけることです、虫歯とは?参 照)が重要です。さらに全身の健康状態も影響するようなので、栄養のバランスや体調を維持することも大事です。また、最近では喫煙による影響も無視できな い(炎症の治癒を阻害する)ことが知られています。歯茎にハレのあるときの喫煙は控えたほうがよろしいと思います。
いざ気が付いてみたら“歯はグラグラで噛めなくなっていた”では手遅れかもしれません。やはり定期検診の必要性を感じるところです。

 ところで、歯ブラシをしたり、繊維性の食物(リンゴなど)を食べると、“歯茎から出血する”という方はいらっしゃいませんか?この症状があるということ は、歯茎に炎症が起きている証拠です。よく出血するのがいやで、あまり歯ブラシをされない方がいらっしゃいますが、これではますます雑菌が増殖し、歯そう 膿漏や歯肉炎(まだ軽度の歯茎の炎症)を悪化させてしまいます。

では、なぜ炎症が起きていると出血しやすいのでしょうか?
これは、人間の外界からの攻撃に対する防衛反応の一種と考えられます。出血することにより、その近辺にひそむ雑菌が体の中に入らないよう押し流す効果が期 待されるのです。炎症がおさまってくれば、歯ブラシなどで容易に出血することはなくなってきます。

ただし、歯ブラシで充分に気を付けなければならないことは、“適切な硬さ、大きさのブラシを選び、適切な力で丁寧に、時間をかけてみがく”ということで す。歯をみがけばいいからといって、ただ闇雲に、がむしゃらにみがいていたのでは、歯茎を傷付け出血していることもあるので要注意です。

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